飲食店経営者の方は、製氷機は無くてはならない厨房機器なので普段から活用しているでしょう。「製氷しなくなった」「操作できなくなった」となると製氷機の処分に迫られます。製氷機は、自治体の粗大ゴミ回収で処分ができるのでしょうか?
この記事を読んでもらうと、製氷機の処分にはフロン回収の工程を経た処分が必要だということが分かります。処分方法・製氷機を処分する際の費用の相場・使える製氷機の売却方法も合わせてご紹介しましょう。
自治体で粗大ゴミとして回収ができない製氷機
製氷機を処分したい時、自治体の粗大ゴミ回収は利用できません。なぜなら、製氷機は産業廃棄物の部類に入るためです。自治体で回収できない製氷機は、産業廃棄物収集運搬の許可を得ている業者なら回収してもらえます。
ただし、機器の処分前にはフロン回収が必要です。
製氷機はフロン排出抑制法の対象品目
まず、製氷機は冷蔵庫やエアコンと同じようにフロンガスが含まれている家電だという認識を持ってください。つまり、フロン回収をしていない製氷機は、産業廃棄物回収業者も引き取りはしないのです。
2020年4月1日に「フロン排出抑制法」が改正され、機器の管理者がフロン回収を依頼せず該当している機器を廃棄すると行政処分だけではなく50万以下の罰金が導入されました。
- 店舗用エアコン
- ビル用マルチエアコン
- 業務用冷凍冷蔵庫
- 冷凍冷蔵用ショーケースなど
製氷機の他には、上記のような機器がフロン排出抑制法の品目です。
フロンは、二酸化炭素の100~10,000倍もの強い温室効果ガスであり地球温暖化に大きな影響を与えてしまうものです。そのため、フロン類は排出の抑制が急務だと法律で制定されました。
壊れた製氷機の処分は2つの依頼が必要
製氷機を処分する際には、フロン回収と廃棄物の処分という2段階の依頼が必要です。
1.フロンの回収を依頼する
まず、フロン類の回収は第一種フロン類充填回収業者に依頼が必要です。フロン回収が終わると、「引取証明書」」を受領します。依頼者は、この証明書を3年間保存しなければなりません。
2.製氷機の処分を依頼する
次に、フロン回収を済ませた製氷機は産業廃棄物処理業者へ処分の依頼をします。この時、フロン回収を済ませた時に受領した引取証明書(写し)を産業廃棄物処理業者に渡さなくてはなりません。フロン回収と機器の廃棄処分を同じ業者に依頼する場合も、同様に引取証明書を3年保存しておく必要があります。
フロン回収と機器の回収を2社に依頼するか1社で依頼するかの違いがあるものの、いずれにしても正規の処理業者は都道府県の届け出を済ませているため、法律に基づいた処理をしてもらえる安心感があります。
手間を考えた時には、2社の依頼よりも1社で正式な処理ができる業者の方がおすすめです。
普段から産業廃棄物処理業者の利用があれば、そちらに依頼すると早く対応ができるので便利です。ただし、製氷機のフロン回収に対応しているかどうかを確認しておきましょう。
壊れた製氷機の処分費用
製氷機は、フロン回収をしないと廃棄処分をしてもらえません。ところが、基本料金が2~3万円かかり、回収費やフロン破壊費が㎏あたりで算定されるため、5万以上はかかります。製氷機が大型ならさらに高い費用となるでしょう。
法律に基づいた処分を進めなければならないものの、廃棄するにもこの程度の費用がかかるので大きな出費となってしまいます。
少しでも費用を抑えるには、厨房機器をまとめて回収してもらえる業者に依頼するのがおすすめです。厨房機器は、まだ使えるものも処分されることも多く中古需要が高くなっています。回収を依頼した際に、厨房機器の買取ができる業者だと少しでも費用を抑えるの役立つためです。
福岡エコサービスでも、厨房機器の回収・買取も広く行っております。製氷機や冷蔵庫などの厨房機器があって処分したい時には、お気軽にお問い合わせください。
使える製氷機は早めの売却がおすすめ
廃棄処分するにもご覧のように高額な費用がかかる製氷機ですので、できれば正常に使える時に買取してもらうのも経済的です。手持ちの製氷機を下取りしてもらい、買い換えの負担を軽減するという手もあるでしょう。厨房機器は中古の需要が高いため、製氷機を売却するのもお得な方法です。
買取業者で売却する
製氷機を買取業者に依頼して買い取ってもらう方法です。専門業者は、厨房機器の買取を広く行っているので、再販ルートを持っています。フロン回収の必要もなく、業者に引き渡すだけで済むので便利な方法です。
買取されるものは、正常に作動していて年式の新しいものです。
買取されやすい製氷機 | 買取りされない製氷機 |
製造から6年以内 | 製氷しないもの |
見た目がきれい | 操作ボタンが破損・操作できないもの |
買取査定を受ける前に、きれいに清掃を行うだけでも査定額のアップが期待できます。また、普段からお手入れをする、メンテナンスを定期的に受けるのも結果的に製氷機の価値を高めることに役立ちます。製氷機の異音・異臭・傷がないというのをポイントにしてみてください。
ネットオークションで売却する
ネットオークションで製氷機を売却する方法も、活用されています。落札者が見つかれば、製氷機を発送するだけで処分が完了します。
特に、人気の高い機種なら入札者が多くなり高値での落札も可能です。ただ、ネックとなるのが製氷機は重量がかなりあるため送料も高くつく点があります。運搬が可能な人か引取に来てくれる人を条件にしておくと、双方にとってもメリットとなるでしょう。
まとめ
壊れた製氷機は、お伝えしたようにフロン回収の法律に従った処分をしなければなりません。処分を進める際には、産業廃棄物処理業者というだけではなくフロン回収の法律を遵守している業者を探すようにしてください。
残念ながら壊れている製氷機は、買取対象とならないため処分を進める方向を検討する必要があります。決して安い廃棄費用ではないため、業者の比較をする際にも見積もりは欠かせません。製氷機の適切な処理ができるように、業者の見極めは慎重に行ってください。