どうしても経営が成り立たなくなってしまうことで、店舗閉店を余儀なくされてしまうこともあります。その際に発生する費用も、見越した上で断腸の思いで閉店を決意するのには、事業主の方にとっては相当なエネルギーを消耗するでしょう。できるだけ、不用品の処分や原状回復の費用を抑えたいものです。
今回は、店舗の閉店で片付けの際にかかる費用・事業ゴミの処分方法・原状回復のやり方・不用品回収業者に依頼する方法をまとめて紹介します。
目次
- 店舗閉店の片付けでかかる費用
- 店舗閉店にまつわる不用品の処分
- 店舗閉店で必要となる原状回復工事
- スケルトン工事か居抜きか?
- 店舗閉店の不用品は家庭ゴミで処分できる?
- 店舗の不用品は事業ゴミ
- 事業ゴミを自治体へ持ち込む処理方法
- 不用品回収業者へ依頼する処分方法
- 不用品回収業者にマニフェストの作成をしてもらう
- 店舗設備買取業者を利用する
- 買取可能な不用品は?
- まとめ
店舗閉店の片付けでかかる費用
店舗閉店を行うには片付けが必要とされ、主に以下の2つの費用が発生します。
店舗閉店にまつわる不用品の処分
不用品の処分は、不用品回収業者を利用した場合、荷物の量によって費用の目安が決まります。
1DK | 75,000円~ |
8立方メートル | 85,000円~ |
9~10立方メートル | 105,000円~ |
店舗閉店に伴い不用品回収の品目は、処分がしづらいものの相談をしなくてはならないケースも多々あるため、上乗せされる費用があることも把握しておくのが無難でしょう。
店舗閉店で必要となる原状回復工事
店舗を明け渡すためには、原状回復工事も必要になりますが、工事内容によって費用目安が異なります。たとえば、張替え工事や塗装・クリーニング・エアコン分解クリーニングなどです。
良く行われるのが、張替え工事ですが一例を紹介しておきましょう。
クロス | 1,100円~/㎡ |
クッションフロア | 2,700円~/㎡ |
タイルカーペット | 2,100円~/㎡ |
原状回復工事には種類も多数あり、業者次第、使用材料、店舗の状況などで大きく変わって来ます。費用を安く抑えるためにも、リフォーム店に複数の見積もりを取るのが、望ましいでしょう。
スケルトン工事か居抜きか?
店舗閉店でオーナーに明け渡す際には、2つの方法があります。
スケルトン工事は、内装もすべて解体して入居した時の状態に戻す工事のことです。鉄筋の場合なら、最終的にコンクリートが見える状態に戻すのを、スケルトン工事と呼びます。
一方、居ぬきは設備や備品をそのまま残しておく方法です。居ぬきも2種類があります。
- テーブルなどの設備は現状のまま、什器のみを処分
- 設備も什器も現状のまま
普通、設備のみ残す居ぬきが多いため、什器は少しでもお金にするなら「自ら買取業者を利用するのが得」です。
店舗閉店の不用品は家庭ゴミで処分できる?
店舗閉店に伴いさまざまな不用品の処分が迫られます。処分方法は、店舗の場合には家庭ゴミとは違う方法を取る義務があるからです。
店舗の不用品は事業ゴミ
店舗閉店で出る不用品は、自治体の家庭ゴミで処分することはできません。
- 家庭ゴミ 一般廃棄物 処理責任は自治体
- 事業ゴミ 産業廃棄物 処理責任は事業者
事業ゴミを自治体へ持ち込む処理方法
自治体の家庭ゴミ回収を利用することは、事業ゴミはできないと伝えました。しかし、有料であれば自治体への持込も可能になります。その費用を納付していることを証明するのが、「事業ゴミシール」で地元のスーパーやコンビニなどで購入しておきます。そのシールを不用品に貼り付けてから、自治体の処理施設へ持ち込んでください。
自治体へ事業ゴミを持ち込むのは、適正な処理ができるため安心感がありますし、費用も安く済むのはメリットでしょう。しかし、事業者が持ち込まなければならない、平日だけしか受付してもらえないなどのデメリットもあるのは確かです。
店舗閉店なら、事業ゴミが少数ではないため、事業者自らが持ち込むのは手間も時間もかかってしまうので現実的ではないでしょう。
不用品回収業者へ依頼する処分方法
店舗閉店の場合、処分の期限が決められておりできるだけ迅速に処分を進めたいものでしょう。不用品回収業者では、事業ゴミが膨大にある時にももちろん適切に対応してもらえます。
早急な片付けに迫られているなら、365日無休の業者なら即日でも対応してもらるので、便利です。何といっても、事業者自ら自治体へ所定の手続きを踏んで事業ゴミを持ち込むよりも、スピーディーな処分を行ってくれるのがメリットでしょう。それだけに、事業ゴミが多くなれば費用は必然的に割高になってしまいます。不用品回収業者を選ぶ際には、金銭トラブルを回避するためにも、料金や作業内容の確認を慎重におこなってください。
不用品回収業者にマニフェストの作成をしてもらう
不用品回収業者に事業ゴミを処分してもらう時、マニフェストの作成をしてもらいます。このマニフェストは、処分をした業者名や処分の詳細などを記録している書類なので、適正に処理をした証となるのです。
マニフェストもなく、密かに家庭ゴミとしてゴミを出したり、不法に山林に廃棄したりすれば違法となるので注意をしてください。そのためにも、信頼のある良質な不用品回収業者を選ぶ必要があります。
店舗設備買取業者を利用する
店舗設備買取業者を活用すると、少しでも価値のあるものを買い取ってもらえます。飲食店なら、ショーケースやガステーブル、食器洗浄機、スチームコンベクションオーブン、製氷機などを買取可能なのでまずは見積もりを受けてみるのがおすすめです。買取専門業者では、主な買取対象メーカーをホームページに記載しているので、保有している機器で予め確認しておくのも良いでしょう。買取業者は、店舗を閉店して別に事業を始めるのにも、少しでも資金を得たい時のサポートとして頼れる存在です。
買取可能な不用品は?
どんなものが店舗閉店の不用品では、買取対象となるのでしょうか?対象になるものがあれば、少しでも換金できれば何かと処分にかかる費用を安く抑えるのにも役立ちます。
- 厨房機器 業務用機器・ショーケース・オーブン・レンジ・コーヒーマシンなど
- 調理道具 和食器・中華食器・ストレーナー・泡たて・お玉など
まとめ
店舗閉店は、比較的急いで済ませなければならないことが多いでしょう。そんな中で不用品の処分や原状回復工事に追われるため、業者選びや工事の方法などいろいろと悩む問題も次々にあるものです。店舗閉店を少しでもスムーズに行うだけではなく、費用を抑える処分方法、注意点を心得ておくのが賢明だと言えます。