賃貸物件のアパートやマンションは、ドアを一つ閉めると部屋の内部の状況はオーナーや不動産会社であっても知ることはできません。そのため、ゴミ屋敷予備軍と呼ばれる状態になっていたとしても、外部から気づきにくいのです。大家さんにとれば、部屋の損傷が著しいとアパートの価値すら落とされてしまうトラブルにも発展しますね。
この記事を読んでもらうと、自身が住んでいる賃貸のアパートやマンションのゴミ屋敷化を気づくポイントや対応すべきポイントが分かります。また、自分の部屋はゴミ屋敷化のサインが出ているのかも、確かめて置くと深刻な状態になる前に手を打てることも知っておきましょう。「散らかっているのではないか?」とアパート暮らしに不安がある方、アパートを管理しているオーナーの方も参考にしてみてください。
ゴミ屋敷予備軍には気づきにくいアパート
ゴミがあふれている一軒家は、比較的周囲から分かりやすいものです。臭いや火災、通行の支障などのトラブルも考えられるため、周辺住民は自然と意識が高くなります。
しかし、ゴミ屋敷予備軍となっているのに気づきにくいのがアパートです。アパートでは、ドアを閉めてしまうと部屋の中の様子はまるで分かりません。隣の入居者もよほど臭いがしない限りは、気づかないのが普通です。また、オーナーが定期的に掃除をしていても部屋の中の状態まで把握できません。
アパートがゴミ屋敷化してしまう原因
アパートがゴミ屋敷化してしまうには、いくつのもの原因が重ねって起きるためです。
一人暮らしで他に掃除をする人がいない
若い世代や高齢者までアパートに住む世代はさまざまなですが、一人暮らしの方も多いので、本人が掃除をしなければ散らかり放題のままです。一人暮らしだと、片付けなければと自発的に思わない限りは、掃除が行き届かなくなってしまうこともあります。特に、高齢者の場合には掃除をしたくても体が弱ってしまって思うようにできない事情もあるでしょう。
仕事が多忙・時間が不規則
若い世代では仕事が多忙で、アパートへは寝に帰るだけの暮らしを続けている方もいます。職種によっては勤務時間が不規則になり、休日には掃除をするよりも休養ばかりに費やしてしまう方もいるものです。過酷な労働条件でも働かなくては暮らして行けない事情を抱える方も、多いのが現状だと言えます。
出来合いのもので済ませることが多い
一人暮らしで多忙となると、どうしても食事を自炊しなくなってしまいます。出来合いのもので済ませるのは、確かに手軽で楽ができます。しかし、その都度ペットボトルやお弁当のパック、お菓子の袋や箱などのゴミができやすくなり捨てないでいればさらにたまる一方になります。
手間はかかるものの自炊をすれば、パックはたまらなくなるし一人暮らしなら一度の調理で翌日のおかずの1品ができるメリットもあるのです。
ストレスを抱え続けている
人間関係、体調の不安、仕事の重圧、育児の悩みなど人それぞれに悩みを複数抱えています。ストレスがかかり続けるとやる気がなくなってしまい、ゴミの廃棄すらできなくなるのも実際にあるのです。ゴミを捨てられない、片付けられないのは、身体的な理由からそうなってしまうと考えられがちですが、それ以外の精神的な理由が大きく影響していることもあります。そのため、怠けているとかズボラな性格だとか誤解を招く場合もあるわけです。
また、高齢者の中には寂しさがストレスとなり、物で寂しさを埋めようとしている行為も見られます。
自分でゴミ屋敷化していないかチェックするポイント
普段、自分が暮らしているアパートがゴミ屋敷化しているのかというのは、一人暮らしだと自分の部屋に慣れてしまい「これが普通」という認識を持ってしまいがちです。セルフチェックをしておくことで、ゴミ屋敷化の兆しを発見できるようにしましょう。
注意ポイント
- 洗濯をしていない衣類が散乱している
- キッチン・トイレなど水回りが汚れている
- 冷蔵庫が整理整頓されていない
- 飲みかけや食べかけの食べ物が部屋にある
- 異臭がする・換気をしていない
いくつか当てはまる点がある場合には、できるだけ早い段階で解決するように努めましょう。ゴミ屋敷化の道をたどるのは、意外にも期間は短いと言われています。食い止めるためには、一つでも当てはまるものをなくして行くようにする必要があります。
ゴミ屋敷化が発覚しても掃除や片付けの方法すら分からない人もいる
しかし、ゴミ屋敷化の傾向に不安を感じても、実際に掃除や片付けの方法が分からない方もいます。生活用品を分類して収納する習慣が欠如していると、いくら収納ケースやボックスなどがあっても目的を果たさなくなってしまうのです。
また、捨てる感覚がない方いわゆる「溜め込み症」になっているケースもあり得ます。明らかに捨てるべきゴミでも捨てられなかったり、こだわりが強かったりするとゴミはたまる一方でたとえ片付けようとしても、納まりきれなくなってしまうのです。
アパートの共用部分のゴミを不動産会社が処分できる?
一方、アパートを管理するオーナーや不動産会社側から見て共用部分に置かれているゴミに悩まされている場合には、即座に処分はできません。ゴミが置かれているためにアパートの入居者へ告知をまず行います。勝手に処分をすると、入居者にとってはゴミではなく必要なものを処分されたとなり所有権の侵害となるためです。
居住権の問題から、度重なるゴミ屋敷化の傾向が見られる入居者の場合でも、即座に契約解除を行うのは難しいのが普通です。清掃を促す告知やゴミ屋敷化の現状を改善するように働きかける対応をするようにならざるを得ません。
まとめ
アパートで一人暮らしの場合には、ゴミ屋敷化していても本人だけではなく近隣の入居者やオーナーにも気づきにくいことが多くなります。部屋の環境に慣れると散らかっているという認識すら薄れてしまう怖さがありますね。
ゴミ屋敷化が本格的に進まないようにするためにも、普段からチェックする意識を持つようにしましょう。もし、自力では捨てられない・片付けられないと感じる場合には、身近な人に手伝ってもらったり、不用品回収業者に依頼したりする方法を検討してみましょう。
費用の問題も出ていることですから、良質な不用品回収業者を見つけるためにも依頼の際には、見積もりをきちんともらった上で複数社から依頼先をしぼりこむようにしてください。